原著
実験的閉塞性黄疸作成時の膵外分必機能の二相性変化
平田 公一, 丸山 芳朗, 臼井 朋明, 白松 幸爾, 早坂 滉
札幌医科大学第1外科
Wistar系雄ラットに閉塞性黄疸を作製し,作製後28日目まで膵外分泌系因子の変化を検索した結果,黄疸作製後7日目を前後して二相性変化を認めた.すなわち黄疸作製後5日目までは,対照群と比較して膵重量・解組識内単位DNA量・膵組識内蛋白量・in vitroにおける膵組識からのアミラーゼ放出量のいずれもが増加し,形態学的にチモーゲン顆粒の増生が認められた.これに対し7日目以後膵重量は多かったが,単位DNA量は対照群とほとんど差がなく,その他の因子はむしろ低下していた.チモーゲン顆粒数も低下し,顆粒内電子密度も低下していた.以上の結果から黄疸発生初期に外分泌細胞の機能亢進・肥大・増生を後期にその機能低下現象を認めた.
索引用語
閉塞性黄疸, 膵外分泌機能, 蛋白合成, DNA合成
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