原著
炎症性腸疾患の腸間膜リンパ節内細菌
福島 恒男, 久保 章, 川本 勝, 杉田 昭, 石黒 直樹, 竹村 浩, 土屋 周二
横浜市立大学第2外科
炎症性腸疾患(IBD)のうち,潰瘍性大腸炎6例,Crohn病3例の腸間膜リンパ節を培養し,他の38例の腹部疾患の腸間膜リンパ節培養結果と比較した.前者の9例中4例(44.4%)に細菌が検出され,菌種ではPropionibacteriumが多く,4例の平均菌数は4.0×104/gmであった.
一方,炎症性腸疾患38例中23例(60.5%)に細菌が検出され,そのほとんどがPropionibacteriumであり,23例の平均菌数は3.1×103/gmであった.両群間の細菌検出率,平均菌数に統計的有意差は認められなかった.腸間膜リンパ節内にはPropionibacteriumが常在すると思われ,IBDに特異的な細菌は検出されなかった.
索引用語
炎症性腸疾患, 潰瘍性大腸炎, Crohn病, 腸間膜リンパ節内細菌
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