原著
マイクロ波メスによる肝血管腫切除症例の検討
小林 康人, 勝見 正治, 田伏 克惇, 青山 修, 野口 博志, 江川 博, 永井 祐吾, 嶋田 浩介, 金 秀男, 小西 隆蔵, 森 一成, 山上 裕機, 東 芳典
和歌山県立医科大学消化器外科
教室では昭和58年3月までに7例の肝血管腫を経験し,4例に対し当教室で開発したマイクロ波メスを応用し良好な結果が得られた.症例は男性2例,女性5例で,年齢は45歳から59歳,平均50.4歳であった.主訴は心窩部痛5例,全身倦怠感1例,無症状1例であった.マイクロ波メスの応用により術中出血量は平均320 mlと少なく,全例輸血の必要がなく,特別な術後管理は不要で,術後合併症も全く認められなかった.本症は良性疾患であるがゆえに手術の安全性が大きな問題となるが,本法はその点において有用であると考える.
索引用語
肝血管腫, マイクロ波メス, 肝切除
日消外会誌 16: 2081-2087, 1983
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