原著
胃癌症例における術後合併症の検討
秋山 守文, 戸塚 守夫, 桂巻 正, 白川 拓, 及川 郁雄, 小林 謙二, 早坂 滉
札幌医科大学第1外科
最近7年間の胃癌症例460例について術後合併症も分析した.全身合併症としては肺不全が最も多く,10例2%にみられ,術前の肺機能評価の重要性を強調した.局所合併症としては縫合不全が最も多く24例5.2%でmajor leakageは13例であり3例を失っている.術後腹腔内出血は4例であり,うち2例は縫合不全による膿瘍が原因となった.膵尾・脾合併切除による術後合併症の増加は軽微であった.縫合不全が術後合併症として最も重要であり,多臓器不全の初因となりうる.縫合不全の予防には手術手技の向上はもちろんのこと,術前術後にわたる低蛋白血症の補正,吻合部血流の保持など,術式の選択面についても反省を加えた.
索引用語
胃癌術後合併症, 術後肺不全, 縫合不全, 低蛋白血症, 低酸素血症
日消外会誌 18: 1049-1055, 1985
別刷請求先
秋山 守文 〒060 札幌市中央区南1条西16丁目 札幌医科大学第1外科
受理年月日
1985年2月13日
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