原著
悪性リンパ腫の予後因子に関する検討―消化管原発26例について―
津森 孝生, 中尾 量保, 宮田 正彦, 長岡 真希夫, 荻野 信夫, 竹中 博昭, 川島 康生, 金 昌雄1), 北川 晃1), 杉野 盛規2), 南 俊之介2)
大阪大学第1外科教室, 大阪警察病院外科1), 東大阪市立中央病院外科2)
消化管原発の悪性リンパ腫26例に対し治癒切除術を17例に,非治癒切除術を6例に施行した.非切除は3例であった.切除標本の組織学的な分類では,Histiocytic cell type 16例,Lymphocytic celltype 10例であった.Stage分類ではStagbe I 5例,II 11例,III 6例,IV 4例であった.術後の補助化学療法をVEMP療法を中心に15例に施行した.予後は20日~15年8カ月の間で生存12例,死亡13例,不明1例であった.治癒切除群が非治癒切除群および非切除群に比べ生命予後が良好であった(p<0.05).Stage別では1,II期とIII,IV期の間に生存率に有意の差がみられた(p<0.05).
索引用語
悪性リンパ腫, 非上皮性悪性腫瘍, 消化管原発悪性リンパ腫, 悪性リンパ腫のstage分類
日消外会誌 18: 2137-2140, 1985
別刷請求先
津森 孝生 〒553 大阪市福島区福島1-1-50 大阪大学医学部第1外科
受理年月日
1985年5月15日
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