原著
慢性膵炎に対する外科的治療の予後
小西 孝司, 渡辺 俊雄, 薮下 和久, 関野 秀継, 広沢 久史, 高橋 信樹, 八木 雅夫, 泉 良平, 永川 宅和, 宮崎 逸夫
金沢大学第2外科
慢性膵炎に対する陣直接手術の治療成績を検討した.教室では過去15年間に48例に50回の膵直接手術を行ったが,手術死亡は0%であった.膵直接手術の疼痛に対する効果は改善78.0%,不変14.0%,悪化8.0%であり,膵液ドレナージ術と膵切除術間には差をみなかった.PFD試験による膵外分泌機能の変化では,膵切除術に比べて膵液ドレナージ術に改善が多くみられた.糖負荷試験による膵内分泌機能の変化では,膵切除術では改善例をみなかったのに対し,膵液ドレナージ術では30.0%に改善が得られた.術後の社会復帰率は76.0%であったが,膵切除術とくに膵頭切除術や膵全摘術での復帰状況が悪かった.
索引用語
慢性膵炎, 膵切除術, 膵液ドレナージ術, 膵管空腸側々吻合術, 膵内外分泌機能
日消外会誌 19: 1624-1628, 1986
別刷請求先
小西 孝司 〒920 金沢市宝町13-1 金沢大学医学部第2外科
受理年月日
1985年12月11日
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