原著
食道静脈瘤直達手術後の静脈瘤再発に関する検討
米川 甫, 島 伸吾, 杉浦 芳章, 吉住 豊, 後藤 正幸, 白石 祐之, 田中 勧
防衛医科大学校第2外科
1985年までに食道静脈瘤の直達手術を施行した46例を対象として,術後の静脈瘤再発に関与する要因を検討し,手術適応を考察した.術後にF2CB以上の静脈瘤が認められたものを再発と定義すると,再発率は32.6%であり,再発時期は術後2年以内のものが多かった.再発は男性患者では女性より有意に多く,また術前肝機能のChild分類がB,Cの症例の再発はAの症例より有意に多かった.飲酒歴と再発率とには有意な関係が認められた.術前の内視鏡所見は再発率に関与しなかった.緊急・待機・予防などの手術時期や手術術式と再発率とにも有意な関係は認められなかった.直達術の適応は,肝機能が比較的良く,飲酒量が少ない症例に限るべきと思われた.
索引用語
食道静脈瘤直達手術, 食道静脈瘤再発, 食道静脈瘤内視鏡所見
別刷請求先
米川 甫 〒359 所沢市並木3-2 防衛医科大学校第2外科
受理年月日
1988年11月2日
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