原著
stage IV食道癌の予後からみた外科治療方針の検討
中田 芳孝, 鍋谷 欣市, 花岡 建夫, 小野澤 君夫, 李 思元, 本島 悌司, 入村 哲也, 福島 久喜, 木村 治, 加来 朝王, 川口 敏樹, 鈴木 昇
杏林大学医学部第2外科
昭和48年より昭和60年までの13年間に195例の食道癌が切除された.このうち組織学的stage IV症例81例の治療法と予後との関連性をretrospectiveに検索し,その治療方針につき検討した.1)3年以上生存例は7例で,術前術後照射症例の予後が良好であった.2)再発または重複癌の早期診断と治療が必要である.3)術前諸検査により他臓器浸潤(とくに,気管,大動脈)が予想される場合は,術前照射により病巣の減量に務め,できうるかぎり積極的かつ合理的なリンパ節郭清を行い,癌種の遺残が疑われる場合は術後照射を中心とした集学的治療により,予後の向上が期待できる.
索引用語
食道癌術前術後照射, stage IV食道癌の治療
別刷請求先
中田 芳孝 〒181 三鷹市新川6-20-2 杏林大学医学部第2外科
受理年月日
1988年11月2日
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