原著
OK-432経口投与によって誘導される末梢血および胸管リンパ球の細胞障害性の検討―宿主要因からみた相違―
松本 純夫, 丹 光明, 永井 研治, 杉本 辰雄, 沓名 哲治, 塚田 規夫, 吉崎 聰
藤田学園保健衛生大学第2病院外科
消化器癌を中心とした再発担癌症例10例にOK-432経口投与を施行し,末梢血リンパ球のナチュラルキラー(NK)活性の変動と宿主要因の相関について検討した.肺およびリンパ節転移例では5例中4例(80%)に,転移の証明されなかった2例では2例(100%)にNK活性の上昇を投与後認めた.肝転移例では転移巣の大きさにより変動の程度が異なり,亜区域大の転移巣を有する症例はNK活性の上昇を認め,3区域大の症例ではNK活性の低下を認めた.1区域大の症例ではNK活性の変動を認めなかった.以上,OK-432経口投与では肝臓,特にKupffer細胞を中心とした細網内皮系の機能が正常に保たれていることが重要と思われた.
索引用語
免疫調節剤, 消化管付属リンパ組織, 胸管リンパ球
別刷請求先
松本 純夫 〒454 名古屋市中川区尾頭橋3-6-10 藤田学園保健衛生大学第2病院外科
受理年月日
1988年11月2日
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