原著
胃切除術における二重器械吻合法の応用
三浦 敏夫, 中越 享, 佐藤 行夫, 川口 昭男, 草野 裕幸, 平野 達雄, 下山 孝俊, 富田 正雄
長崎大学医学部第1外科
胃切除術後の再建をlinear staplerとcircular staplerの二種類の自動縫・吻合器を交差して用いる二重器械吻合法で行い,術後合併症を中心に検討した.対象は膵頭十二指腸切除4例を含む胃切除術33例で男性28,女性5例,平均年齢は64.9歳である.再建法はBillroth I法16例,Billroth II法17例で,使用した自動縫・吻合器はTA 90:19例,LG 90:14例,EEA:21例,ILS:12例である.術中合併症は,抜去障害7例,腸管損傷2例,脾損傷1例であった.術後合併症は,出血1例,吻合部狭窄5例(15.2%)で,縫合不全はなかった.狭窄はCSの径29.31 mmのものは0%であったが,25 mmで22.2%,28 mm EEAでは20%に発生した.ドーナツ中のステイプルの形態変化は,変形が75.8%でもっとも多く,切断12.1%,変形なしは6.1%であった.
索引用語
二重器械吻合, 胃切除術, 膵頭十二指腸切除, 吻合部狭窄
日消外会誌 22: 1744-1748, 1989
別刷請求先
三浦 敏夫 〒852 長崎市坂本町7-1 長崎大学医学部第1外科
受理年月日
1989年2月15日
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