特集
超音波内視鏡による早期胃癌深達度診断―縮小手術への応用について―
生田目 公夫, 大久保 雅彦, 浜井 直人, 幕内 幹男, 岩井 裕子, 鈴木 快輔
昭和大学藤が丘病院外科
早期胃癌に対する縮小手術の適応を知る目的でリンパ節転移状況について臨床病理学的に検討するとともに超音波内視鏡による深達度診断を行なった.R0-1の縮小手術の適応症例の条件は粘膜内癌で2 cm以下のI型,IIa型.1 cm以下の粘膜皺壁集中のないIIc型である.適応条件となる早期胃癌の超音波内視鏡診断は2 cm以下のm胃癌において85.7%の正診率であった.しかしながら5 ul(-)陥凹型m胃癌は100%の正診率であった.2 cm以下のsm胃癌は80%と比較的良好な診断率であったが,2 cm以下ul(-)sm胃癌はul(-)m胃癌に比較して正診率は低値であった.2 cm以上のm,sm隆起型の診断は困難であった.以上より縮小手術の適応症例の選択において超音波内視鏡検査は有用であり,今後,大いに期待できる診断法である.
索引用語
endoscopic ultrasonography, depth of invasion, limited gastrectomy
日消外会誌 23: 1006-1010, 1990
別刷請求先
生田目 公夫 〒227 横浜市緑区藤が丘1-30 昭和大学藤が丘病院外科
受理年月日
1989年12月13日
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