症例報告
腹部食道憩室症の1治療経験
河田 直海, 林 雅郎, 井上 賢二, 恒川 謙吾
愛媛大学医学部第1外科
腹部食道に発生した憩室の1治験例を経験したので報告する.患者は67歳男性で,心窩部痛および体重減少を主訴として来院した.上部消化管透視および内視鏡で,食道胃接合部直上に径約2 cmの憩室を認めた.
手術は経腹的に行い,憩室を切除後,逆流性食道炎予防の意味で,胃底部前壁を憩室切除部に縫い着けた.切除標本は組織学的に真性憩室であり,内面は正常扁平上皮に覆われていた.
食道憩室は,咽頭食道・気管分岐部・横隔膜上が好発部位として知られているが,自験例と同様な報告は文献上わずかに1例のみである.
索引用語
esophageal diverticulum, partial fundoplication
別刷請求先
河田 直海 〒798-33 愛媛県北宇和郡津島町大字高田丙15 町立津島病院外科
受理年月日
1990年9月12日
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