症例報告
胃granular cell tumorの1例
西森 武雄*, 国頭 悟, 柳 善佑, 十倉 寛治, 浅田 健蔵, 竹林 淳, 田中 勲1), 畑山 充2), 曽和 融生3)
和泉市立病院外科, 同病理1), 同内科2), 大阪市立大学第1外科3), (*現在大阪市立大学第1外科)
Granular cell tumorは皮膚,舌,乳腺などに多くみられる腫瘍であり,消化管に発生するのはまれである.著者らは胃に発生したgranular cell tumorの1例を経験した.39歳,女性.主訴は心窩部痛.X線および内視鏡検査にて胃体中部後壁に表面は平滑ではあるが,その中央に小さな陥凹とbridging foldを伴った径約2 cmの隆起性病変を認めた.胃粘膜下腫瘍の診断下に広範囲胃切除術を施行した.切除標本では腫瘍は18×13×7 mmで,割面は淡黄白色を帯び,粘膜下層に存在していた.病理学的にgranular cell tumorと診断した.また,各種免疫組織化学的検索によりSchwann細胞由来と思われた.本邦の報告例は自験例を含めて9例で,まれな疾患であると考え,若干の文献的考察を加えた.
索引用語
granular cell tumor of the stomach
別刷請求先
西森 武雄 〒545 大阪市阿倍野区旭町1-5-7 大阪市立大学医学部第1外科
受理年月日
1990年9月12日
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