原著
食道癌切除例における転移リンパ節の診断に関する検討―肉眼診断と組織診断との対比―
森崎 善久, 島 伸吾, 米川 甫, 後藤 正幸, 杉浦 芳章, 吉住 豊, 田中 勧, 相田 真介*, 玉井 誠一*
防衛医科大学校第2外科, 同 中検病理*
食道癌46例のリンパ節転移に関して,肉眼診断と組織診断とを対比し,その一致度および一致しない原因を検討し,以下の結果を得た.(1)リンパ節転移の肉眼的正診率は,高分化,中分化および低分化症例でそれぞれ95.3%,91.5%および83.2%であり,低分化症例で有意に低かった.(2)肉眼的リンパ節転移の判定は,micrometastasisの転移様式をとる場合と5 mm以下の小さいリンパ節転移の場合が特に困難であり,低分化症例ではこれらの転移型体をとる場合が多い傾向がみられた.(3)偽陽性リンパ節17個の検討では,組織学的には全例反応性のリンパ節腫大と考えられ,大きさは10 mm以上のものが12個と多かった.
索引用語
lymph node metastasis of esophageal cancer, macroscopic diagnosis of the lymphnode, microscopic diagnosis of the lymphnode
別刷請求先
森崎 善久 〒359 所沢市並木3-2 防衛医科大学校第2外科
受理年月日
1991年12月10日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|