原著
胃悪性リンパ腫の臨床病理学的検討
坂本 英至, 中島 聰總, 太田 恵一朗, 石原 省, 水野 伸一, 山口 洋介, 佐藤 幹則, 西 満正, 加藤 洋*, 柳沢 昭夫
癌研究会附属病院外科, 同 研究所病理部*
胃悪性リンパ腫95例につき臨床病理学的検討を行った.胃に認められる悪性リンパ腫のうち,胃とその所属リンパ節にのみ,病変が限局しているものを胃原発性とし,他は全身性悪性リンパ腫とした.95例のうち胃原発性は77例,全身性が18例であった.術前の正診率は最近10年間では,93.9%であった.肉眼型では,原発性,全身性ともに決潰型が最も多かった.また全身性では表層型は認められなかった.リンパ節転移率はsmで27.3%と胃癌(21.1%)に比べて高い反面,pm以深では胃癌に比べて低かった.治療成績をみると5年生存率は,Ann Arbor Stage IEで87.0%,IIE 50.0%,III 21.4%,IV 0%であった.治療にあたっては,原発巣の除去および所属リンパ節郭清と化学療法を加えた,集学的治療が必要と考えられた.
索引用語
gastric malignat lymphoma, gastric lesion of systemic malignant lymphoma
別刷請求先
坂本 英至 〒170 豊島区上池袋1-37-1 癌研究会附属病院外科
受理年月日
1991年12月10日
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