症例報告
胸部食道癌切除6年後遺残食道に発生した癌の1切除例
中村 真之, 村上 卓夫, 丹黒 章, 林 弘人, 内迫 博幸, 草薙 洋, 鈴木 敞
山口大学第2外科
われわれは胸部食道癌切除後6年3か月経過して発見された遺残食道再発と思われる1例を経験したので報告する.症例は52歳男性で,6年3か月前に当科にて胸部食道癌に対して右開胸・開腹胸部食道全摘,胸壁前食道胃吻合を施行されている.術後経過は良好であり,近医にて経過観察されていたが,再び嚥下困難が生じるようになった.上部消化管造影および内視鏡検査にて吻合部付近の狭窄が指摘され,精査目的で当科再入院となった.前回の摘出標本の病理組織学的検討より遺残食道再発と思われた.頸部食道切除および胃管上部部分切除,両側頸部郭清を行い,手術用顕徴鏡を用いた血管吻合法を併用して遊離空腸を用いて再建した.術後経過は良好で,再手術後4年経過したが再発の兆候を認めていない.
索引用語
carcinoma of the remnant esophagus, free jejunal transplantation with microvascular technique
日消外会誌 25: 1056-1060, 1992
別刷請求先
中村 真之 〒755 宇部市小串1144 山口大学医学部第2外科
受理年月日
1991年12月10日
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