症例報告
術前の穿刺吸引細胞診で確定診断しえた早期胆嚢癌の1例
広岡 保明, 浜副 隆一, 狩野 卓夫*, 日野原 徹*, 山代 昇*
鳥取大学医学部第1外科, 益田赤十字病院外科*
術前の穿刺吸引細胞診で腺癌と診断され,根治手術が施行された早期胆嚢癌の1例を報告した.症例は49歳,女性.糖尿病の治療目的で入院中,超音波検査にて胆嚢内に約18 mm大の隆起性病変が認められたため,超音波誘導下穿刺吸引細胞診を施行したところ,腺癌の診断が得られた.Endoscopic retrograde cholangio-pancreatography(ERCP)では総胆管拡張のみられない膵管胆管合流異常症が認められた.手術は胆嚢摘出術に肝床切除および所属リンパ節郭清が施行された.腫瘍は組織学的に粘膜内に限局した乳頭腺癌で,リンパ節転移は認められなかった.
索引用語
early cancer of the gallbladder, ultrasonography-guided aspiration cytology, anomalous junction of the pancreaticobiliary duct
日消外会誌 25: 1105-1108, 1992
別刷請求先
広岡 保明 〒683 米子市西町36 鳥取大学医学部第1外科
受理年月日
1991年12月10日
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