症例報告
再切除可能であった下部胆管癌膵頭十二指腸切除術後再発の1例
杉浦 勇人, 末永 昌宏, 岡田 喜克, 国場 良和, 上原 伸一, 大輪 芳裕
名古屋記念病院外科
浸潤型下部胆管癌で,膵頭十二指腸切除術(pancreatoduodenectomy,以下PD)後3年目に残存膵全摘,脾合併切除術にて再切除可能であった症例を経験した.
症例は60歳男性で,下部胆管癌の診断にてPD施行後3年目に全身膵怠感,体重減少にて入院した.精査の結果胆管癌の再発で,画像診断では再切除可能と判断し,残存膵,脾合併切除にて再切除した.
術後の検索にて今回の再発は,初回手術時切除範囲が不十分であり,残存膵に残った癌細胞が3年の間に発育したものと判断された.術後経過は良好で,術前高値であったcarcino-embryonic-antigen(CEA)も術後正常となった.しかし,6か月目に局所再発し,再手術後7か月で癌性腹膜炎にて死亡した.
索引用語
reoperation after pancreato-duodenectomy, combined resection of the residual pancreas and spleen
日消外会誌 25: 1114-1117, 1992
別刷請求先
杉浦 勇人 〒468 名古屋市天白区平針4-305 名古屋記念病院外科
受理年月日
1992年1月8日
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