症例報告
Computed tomographyにより術前診断のついた閉鎖孔ヘルニアの1例
齋藤 盛夫, 御供 陽二
北上済生会病院外科
閉鎖孔ヘルニアは,比較的まれな疾患で,術前診断率も低い.
今回われわれはcomputed tomography(以下CT)により術前に診断しえた閉鎖孔ヘルニアの1例を経験したので報告する.
症例は80歳,女性で,腹痛,嘔吐,右大腿部痛を訴えて来院.閉鎖孔ヘルニアを疑い,骨盤部CTを行ったところ,右閉鎖孔部に一致して腫瘤像を認めたので閉鎖孔ヘルニアと確定し,根治手術を施行した.
原因不明の高齢なイレウス患者に対して本症を疑った場合には,早期診断にきわめて有用なCT検査を積極的に行うべきである.
索引用語
strangulated obturator hernia, preoperative computed tomographic diagnosis
日消外会誌 25: 1127-1130, 1992
別刷請求先
齋藤 盛夫 〒024 北上市花園町1-6-8 北上済生会病院外科
受理年月日
1991年12月10日
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