特集
術前診断からみた手術術式の決定―食道癌―
神津 照雄, 小出 義雄, 有馬 美和子, 菱川 悦男, 大島 郁也, 唐司 則之, 菊池 俊之, 磯野 可一
千葉大学医学部第2外科
早期食道癌が内視鏡治療の対象となり,また高齢者の食道癌切除例の増加している今日,術式決定の観点から癌深達度および転移リンパ節診断は100%に近い成績が期待されている.粘膜下層までの癌浸潤を示す表在癌の新しい内視鏡型分類からの深達度診断の予測成績は82.7%であった.リンパ節転移診断に関しては,現在のところ超音波内視鏡が最も高成績の成績を与えてくれる検査法である.以上の術前診断の結果から,ep~mm1の小病変では内視鏡的粘膜切除,広範囲病巣ではレーザー光化学療法か非開胸食道抜去を選択する.mm2~sm1の症例では開胸食道切除を行い,食道抜去を行う場合には,術前に指摘された腫大リンパ節には放射線療法を加える.sm2~a2の症例では開胸食道切除と重点的な拡大リンパ節郭清を行う.a3の範囲が小範囲の場合には可及的に開胸手術を選択するが,他臓器浸潤が広範囲の場合にはバイパス術か食道内へのindwelling tube挿入を選択する.
索引用語
endoscopic ultrasonography, esophageal carcinoma, lymph node metastasis, depth of cancer invasion
日消外会誌 25: 1141-1144, 1992
別刷請求先
神津 照雄 〒280 千葉市亥鼻1-8-1 千葉大学医学部第2外科
受理年月日
1991年11月20日
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