特集
胃癌の術前画像診断によるリンパ節転移診断能の検討
山田 眞一, 岡島 邦雄, 磯崎 博司, 中田 英二, 北出 俊一*, 小溝 芳美*
大阪医科大学一般・消化器外科, 北出胃腸病院*
胃癌手術の合理化のための指標の1つとして,術前画像診断によるリンパ節転移の診断能につき検討した.リンパ節転移形態は大結節型,小結節型,びまん型,微小型の4つに分類し,過去6年間のR2以上の郭清を施行した515例を対象として臨床病理学的解析を行うとともに,206例のECHO,CT,MRIによる画像診断のリンパ節転移の診断特性を求めた.結果リンパ節転移形態別出現頻度は,大結節型27.0%,小結節型16.9%,びまん型54.0%,微小型2.1%でびまん型が多い.またリンパ節の長径は大結節型では転移陰性リンパ節より有意に大きかったが,他の転移形態では有意差を認めなかった.画像診断によるリンパ節転移の正診率は,ECHO 55.6%,CT 72.5%,MR1 68.6%で,リンパ節の転移形態別に大結節型で良好であった.また腹部大動脈周囲リンパ節の診断はMRIの冠状断像が有効であった.以上から大結節型転移形態のみが術前画像診断により転移経路を想定した術式選択が可能と考えられた.
索引用語
preoperative imaging diagnosis, rational surgery, mode of metastasis in the lymph node
日消外会誌 25: 1156-1160, 1992
別刷請求先
山田 眞一 〒569 高槻市大学町2-7 大阪医科大学一般・消化器外科
受理年月日
1991年11月20日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|