特集
膵癌の術前診断と手術術式
真辺 忠夫, 大塩 学而, 戸部 隆吉
京都大学第1外科
遠隔転移のみられない膵癌において,治癒切除を行うためには術前の画像診断,とくにCT,血管造影所見から膵後面浸潤,血管浸潤の程度を適格に把握する必要がある.上腸間膜動脈などの主要動脈浸潤がなければ切除可能と判断されるが,その際は門脈系浸潤の有無を問わず,膵に接する門脈系は周囲神経,リンパ組織を含む結合織とともに一塊として切除する拡大切除を行う.とくに血管周囲郭清は大動脈周囲,上腸間膜動脈周囲を含め徹底して行い,併せて局所再発遠隔転移に対する予防策が必要である.
索引用語
pancreatic cancer, retroperitoneal invasion, extended pancreatectomy
日消外会誌 25: 1181-1185, 1992
別刷請求先
真辺 忠夫 〒606 京都市左京区聖護院川原町54 京都大学医学部第1外科
受理年月日
1991年11月20日
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