原著
99mTc-millimicrosphered albuminの摂取率と分解率によるラット肝切除後の肝網内系機能評価
柚木 正行
岡山大学医学部第1外科
肝網内系機能すなわちKupffer細胞機能の変化を中等量および大量肝切除Wistar系雄性ラットのコンピューター肝シンチグラフィーによる99mTc-millimicrosphered albuminの肝摂取率と分解率(代謝率)測定により観察した.99mTc-millimicrosphered albuminの肝摂取率と分解率は同一肝シンチグラフィーの肝時間活性曲線の解析から得られ分解率はKupffer細胞の代謝率(k)として評価した.ラット30%および70%肝切除の術前,術後1,3,5,7日目の99mTc-millimicrosphered albuminの肝摂取率および分解率を測定した.30%肝切除では,肝重量あたりの分解率は術後1日目に低下したが,術後5日目には正常より高値を示しKupffer細胞の活性化が示唆されたが,肝摂取率の変動は少なかった.70%肝切除では,摂取率と分解率は著しく低下し回復は術後5日目以降まで延長した.肝分解率は肝切除前後の肝網内系機能の特異的かつ鋭敏な指標であると考えられた.
索引用語
hepatic reticuloendothelial function after hepatectomy, 99mTc-millimicrosphered albumin, uptake and degradation rates of 99mTc-millimicrosphered albumin
日消外会誌 25: 2704-2709, 1992
別刷請求先
柚木 正行 〒700 岡山市鹿田町2-5-1 岡山大学医学部第1外科
受理年月日
1992年6月17日
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