原著
閉塞性黄疸肝の虚血再灌流時における組織adenosine 5'-triphosphateおよび組織血流量の変動に関する実験的研究
渡辺 敬, 鬼束 惇義*, 千賀 省始, 宮田 知幸, 飯田 辰美, 林 勝知, 広瀬 一
岐阜大学医学部第1外科学教室, 海津郡医師会病院*
閉塞性黄疸(以下OJ)症例に対して肝切除術を施行する際肝門部血行遮断による出血の制御は有効な方法である.肝は虚血に陥るがOJ肝に対する虚血の影響は明らかでない.そこでOJ肝虚血再灌流時の病態を解明する目的で以下の実験を行った.総胆管を結紮し,1,2,3,4週間経過したラット(OJ群)をおのおのbile duct ligation(BDL),BDL-1 W群,BDL-2 W群,BDL-3 W群,BDL-4 W群と4群に分け,15分,60分の虚血実験を行い同時間虚血とした正常肝の対照群と比較検討した.15分虚血実験では,BDL-2 W群,BDL-3W群,BDL-4W群においてはadenosine 5´-triphosphate(以下ATP)は虚血前すでに対照群より低下していたが,再灌流後の回復率には差がなかった.また組織血流量の再灌流後の回復率にも差がなかった.しかし60分虚血実験ではBDL-4 W群においてATP,組織血流量の回復率とも対照群に比べ有意に低値であった.すなわち,胆管閉塞期間が長期になると,60分間虚血に対する忍容性は対照群より劣るものと考えられた.
索引用語
obstructive jaundice, ischemia, changes of adenosine 5'-triphosphate, tissue blood flow
日消外会誌 25: 2710-2716, 1992
別刷請求先
渡辺 敬 〒500 岐阜市司町40 岐阜大学医学部第1外科
受理年月日
1992年6月17日
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