症例報告
脾臓原発と考えられるlow grade malignant histiocytomの1例
又吉 一仁, 今野 修, 寺島 信也, 三浦 純一, 木暮 道彦, 児山 新, 土屋 貴男, 井上 仁, 元木 良一
福島県立医科大学第1 外科
脾臓原発と考えられるまれなlow grade malignant histiocytomaの1例を経験したので報告する.症例は29歳男性,主訴は腹部不快感であった.貧血,血小板減少,低蛋白血症,低グロブリン血症,巨大な脾臓腫瘍を認め,術前陣臓原発悪性リンパ腫が疑われた.手術は脾臓摘出および癒着していた腹膜を部分切除した.病理組織学的に異型組織球増殖免疫組織学的染色より脾臓原発の悪性組織球腫と診断された.術直後より臨床症状は改善し,1年経過するが再発の徴候は認められず元気に過ごしている.
索引用語
splenic tumor, malignant histiocytoma
日消外会誌 25: 2848-2852, 1992
別刷請求先
又吉 一仁 〒960-12 福島市光が丘1 福島県立医科大学第1外科
受理年月日
1992年6月17日
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