卒後教育セミナー
胆道癌(上部・肝門部胆管癌および胆嚢癌)の縮小手術
田代 征記
徳島大学医学部第1外科
上部・肝門部胆管癌の縮小手術には肝門部胆管切除,肝門部肝切除,肝S4α5区域切除があり,通常尾状葉合併切除とR2リンパ節郭清を併施する.縮小手術の適応は占居部位としてBismuth分類のtype I,IIまで,肉眼的には乳頭型,結節型の限局癌で,S0,Hint0,N0症例,組織学的にはm(粘膜),fm(線維筋層)癌で高分化型腺癌が絶対的適応で,ss癌でも相対的適応がある.
胆嚢癌の縮小手術には胆嚢摘出術,全層胆嚢摘出術,肝床切除,肝区域切除があり,進展度に応じ,胆管切除,リンパ節郭清が追加される.縮小手術の適応はm癌であれば胆嚢摘出術,pm癌なら全層胆嚢摘出術あるいは肝床切除とR2リンパ節郭清,ss癌なら肝床切除(癌が腹腔側の時)あるいは肝区域切除(癌が肝床側)+胆管切除+No.16を含むR2リンパ節郭清術を行う、No.16郭清を行っても他臓器を切除しなければ侵襲も軽微で,術後のQOLも良好であり縮小手術(標準手術)と考えている.
索引用語
limited surgery, carcinoma of the proximal bile duct, carcinoma of the gallbladder
別刷請求先
田代 征記 〒770 徳島市蔵本町3-18-15 徳島大学医学部第1外科
受理年月日
1994年11月9日
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