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第28巻 第10号 1995年10月 [目次] [全文 ( PDF 487KB)]
症例報告

腸重積を伴った腸アニサキス症の1例

岩上 栄, 川上 和之, 川浦 幸光

石川県済生会金沢病院外科

 腸アニサキスによる腸重積は極めて少なく自験例を含めて本邦報告例は5例にすぎない.腸重積症を伴った空腸アニサキス症の1例を経験したので報告する.症例は46歳の女性,サケのマリネを夕食に摂取した翌朝腹痛出現した.近医受診したが,嘔吐出現したため当院紹介入院となった.発症前の鮮魚摂取よリアニサキス症を疑い上部消化管内視鏡検査では胃前庭部にたこいぽびらんを認め,さらに十二指腸下行脚に発赤,浮腫,びらんを認めたがアニサキス虫体は認めなかった.腹部超音波検査では左上腹部に高・低エコー域が交互に配列したMultiple concentric ring signと称される腸重積症に特徴的な所見を認めた.腹部CTも同心円状の層状構造を認めた.以上より,小腸アニサキス症による腸重積症の診断にて手術施行した.手術所見では,Treiz靭帯から10 cmに空腸―空陽型の腸重積症を認めたため,Huchinsonの手技により整復し空腸切除術を施行した.以前は小腸重積症の診断は困難とされていたが腹部超音波検査およびCT検査により可能となった.発症に至るまでの十分な問診を行いアニキサスによる炎症性腫瘤がまれではあるが,腸重積を引き起こすことがあることを念頭において診療することが重要であると思われた.

索引用語
intestinal intussusception due to intestinal anisakiasis

日消外会誌 28: 2037-2041, 1995

別刷請求先
岩上 栄 〒920-03 金沢市赤土町二13-6 石川県済生会金沢病院外科

受理年月日
1995年6月14日

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