症例報告
胆嚢結石を合併した遺伝性球状赤血球症に対する腹腔鏡下治療
別府 透, 増田 吉弘, 片渕 茂, 江上 寛, 酒井 和子, 上野 美佳子, 橋爪 誠*, 河北 誠*, 高月 清**, 小川 道雄
熊本大学第2外科, 九州大学第2外科*, 熊本大学第2内科**
胆嚢結石を合併した遺伝性球状赤血球症の16歳の女児に対し,腹腔鏡下に脾臓摘出術と胆嚢摘出術を同時に行った.本術式は治療効果において開腹下の手技と同等であり,術後疼痛や美容的見地からはむしろ優れていた.安全性にも問題なく,また術後の血中IL-6の上昇の程度も低いことから低侵襲手術といいうる.本術式は今後胆嚢結石を合併した遺伝性球状赤血球症治療の第1選択となると思われた.
索引用語
hereditary spherocytosis, laparoscopic splenectomy, less invasive surgery
日消外会誌 29: 1050-1054, 1996
別刷請求先
別府 透 〒860 熊本市本荘1-1-1 熊本大学医学部第2外科
受理年月日
1996年1月10日
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