| 症例報告 メッケル憩室に発生した腺癌の1例 小林 裕之, 井出 明毅, 大西 律人, 窪田 孝蔵, 塩津 英俊* 武蔵野赤十字病院外科, 同 病理部*  症例は58歳男性.腹痛と嘔吐を主訴に来院した.注腸造影,上部消化管造影および腸追跡造影により狭窄部位を診断することができなかったが繰り返すnon scar ileusのため,開腹手術を施行した.回盲部より約80 cmの小腸腸間膜対側にメッケル憩室から発生したと考えられる腫瘍が認められ,同部で狭窄を来していた.腹膜播種もみられ,根治手術は不可能と判断し,小腸部分切除,端々吻合のみを施行した.組織学的には低分化型腺癌で,真性憩室組織由来の悪性腫瘍と判定された.迷入組織は認められなかった. 索引用語small intestinal carcinoma, Meckel's diverticulum
 
日消外会誌 29: 1074-1078, 1996 別刷請求先小林 裕之 〒180 武蔵野市境南町1-26-1 武蔵野赤十字病院外科
 受理年月日1996年1月10日
 
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