特集
長径4 cm未満の上・中部胃癌に対する縮小手術の至適切除範囲
太田 惠一朗, 西 満正, 大山 繁和, 高橋 孝, 中島 聰總
癌研究会附属病院消化器外科
1946年から1994年までに,癌研究会附属病院外科で切除された,多発,他臓器重複癌および根治度C症例を除く,長径4 cm未満の上部胃癌(C,CM,CE)341例と中部胃癌(M,MA,MC)1,258例を対象として,根治度を損わないための上部胃癌に対する噴門側切除(噴切)と中部胃癌に対する幽門輪温存術(PPG)の適応を検討した.長径4 cm未満では,上部胃癌に対する噴切の適応,すなわちNo.4d,5,6にリンパ節転移を認めない条件は,限局型,30 mm未満の表在型,他の肉眼型は,漿膜浸潤のない分化型,腫瘍近傍に転移のない未分化型癌である.中部胃癌に対するPPGの適応,すなわちNo.1,2,5,6に転移を認めない条件は,漿膜浸潤のない腫瘤・隆起型,陥凹型は,分化型は20 mm未満,未分化型は18 mm未満の症例である.
索引用語
proximal gastrectomy, pylorus preserving gastrectomy, limited operation for upper third, middle third gastric cancer
日消外会誌 30: 2103-2106, 1997
別刷請求先
太田惠一朗 〒170 東京都豊島区上池袋1-37-1 癌研究会附属病院外科
受理年月日
1997年7月2日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|