原著
胃切除術後および胃全摘術後患者に対するビタミンB12の経口投与の有効性
織畑 道宏, 加戸 秀一, 竹内 弘久, 畑 真, 森脇 稔, 掛川 暉夫
国際親善総合病院外科
目的:大量経口投与されたビタミンB12は濃度勾配により吸収され,内因子を必要としない.胃切および胃全摘症例についてメコバラミン(メチコバール)の経口投与の有効性を検討した. 方法:幽門側胃切除B-I法11例,胃全摘R-Y 8例にメコバラミン1日量1.5 mg を分3で4週間経口投与し,血清ビタミンB12濃度を測定した.成績:投与前,2および4週目の血清ビタミンB12濃度は胃切例で,412±33,581±62および701±94pg/ml,胃全摘例で312±40,440±34および469±30pg/ml と増加した.胃切例ではビタミンB12の投与前値と増加量に有意な正の相関を認め,逆に胃全摘例では負の相関の傾向を認めその増加に上限が示唆された.結論:常用量のメコバラミン経口投与は,胃切例や胃全摘例で吸収され,ビタミンB12の補給に外来で容易に管理できる有効な方法である.
索引用語
oral administration of vitamin B12 (Mecobalamin), distal gastrectomy, total gastrectomy
別刷請求先
織畑 道宏 〒245-0006 横浜市泉区西が岡1-28-1 国際親善総合病院外科
受理年月日
2001年1月31日
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