症例報告
胃癌術後に発症した高度な溶血を伴うClostridium perfringens敗血症の1剖検例
小池 聖彦, 小寺 泰弘, 山村 義孝, 中尾 昭公*
愛知県がんセンター消化器外科, 名古屋大学医学部第2外科学講座*
胃癌術後に非外傷性に,Clostridium perfringens敗血症(Cp敗血症)が発症し,数時間の経過で著しい血管内溶血を起こし死亡した症例を経験した.剖検では肝臓にClostridium perfringensの微小膿瘍を認めるのみで他臓器に感染巣はなく,消化管からのbacterial translocationによる発症と考えられた.溶血を伴うCp敗血症の救命には迅速な診断と治療が不可欠であるため,まれではあるが消化管術後合併症の一つとして認識されるべきと考えられた.
索引用語
Clostridium perfringens, sepsis, hemolysis
日消外会誌 34: 1295-1298, 2001
別刷請求先
小池 聖彦 〒466-8550 名古屋市昭和区鶴舞町65 名古屋大学第2外科
受理年月日
2001年4月25日
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