症例報告
胆嚢悪性リンパ腫の1例
佐藤 徹也, 林 剛一, 増尾 光樹, 望月 智行, 真田 裕*
川越胃腸病院, 昭和大学藤が丘病院外科*
今回,手術後の病理組織学的検索で悪性リンパ腫と診断された,きわめてまれな症例を経験したので,文献的検索を加えて報告する. 症例は67歳の女性.心窩部痛,腹部膨満感を主訴に当院を受診した.腹部超音波検査,CT検査,胆嚢造影,内視鏡的逆行性胆管造影で40mm大の辺縁不整の腫瘍陰影が胆嚢底部に存在し,胆嚢癌の術前診断で胆嚢摘出,肝床切除,総胆管切除,総肝管空腸吻合術を施行した.術中所見は乳頭膨張型,45×25mm,S0Hinf0H0Binf0PV0A0P0N(-)M(-)St(-),T1,Stage I.D1,BM0,HM0,EM0,根治度Aであった.切除標本は乳頭状発育の隆起性病変で,病理組織学的にはびまん性の増殖を示す異型リンパ球を認め,免疫染色で悪性リンパ腫,diffuse large B-cell typeと診断された.その後骨転移を認め,予後不良であった.
索引用語
malignant gallbladder lymphoma, bone metastasis
日消外会誌 34: 1308-1311, 2001
別刷請求先
佐藤 徹也 〒350-0034 川越市仙波町2-9-2 川越胃腸病院
受理年月日
2001年3月28日
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