症例報告
Leukemic transformationを来した回腸原発Burkitts' lymphomaの1例
山中 秀高, 堀 昭彦, 杉浦 友則, 河合 徹, 川井 覚, 平松 聖史, 北川 喜己, 河野 弘, 松浦 豊
名古屋掖済会病院外科
消化管原発悪性リンパ腫は小腸原発の頻度が胃に次いで高い.しかし,小腸原発Burkitts' lymphomaは少なく,更にleukemic transformationを来した報告は自験例を含め2例のみで非常にまれである.今回,染色体異常も確認した回腸原発例を若干の文献的考察を加え報告する. 症例は83歳の女性.左大腿骨頸部骨折にて入院中,下血を来し当科受診.右下腹部に圧痛を伴う径10cm大の腫瘤を触知し腹部CTおよび大腸内視鏡検査で盲腸悪性リンパ腫と診断し回盲部切除術を施行.切除標本所見で回腸末端を中心とする腫瘍で,病理組織所見でstarry sky appearanceを認め,回腸原発Burkitts' lymphomaと診断.術後2週間目に全身状態が悪化し,血液検査で白血球の異常高値と芽球の出現があり,leukemic transformationと診断された.内科へ転科し化学療法を開始したが3週間目に死亡された.
索引用語
chromosomal abnormalities, acute lymphoblastic leukemia
日消外会誌 34: 1344-1348, 2001
別刷請求先
山中 秀高 〒454-8502 名古屋市中川区松年町4-66 名古屋掖済会病院外科
受理年月日
2001年3月28日
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