臨床経験
肝細胞癌に対するCTガイド下経皮的マイクロ波凝固療法の工夫
山本 祐司, 佐藤 元通, 渡部 祐司, 塩崎 隆博, 吉川 浩之, 鈴木 秀明, 宮内 勝敏, 中野 昇, 河内 寛治
愛媛大学第2外科
肝細胞癌(HCC)に対する経皮的治療は通常超音波ガイド下で行われるため,超音波で描出できない腫瘤は経皮的治療が出来なかった.CTガイド下マイクロ波凝固療法(MCT)を導入し,小型HCCを治療したのでその成績を報告する.症例は63~72歳,男性3例,女性1例で,術後再発例を3例含む.腫瘍は全例単発で右葉に存在し,腫瘍径は9~20mmであった.リピオドールを用い肝動脈塞栓術を行い,リピオドールスポットを目標にCTガイド下で細径針で穿刺した.皮膚―腫瘍間距離は27~62mmであった.PMCTは1回80W,60秒で行った.穿刺本数は1本,2本が各2例であった.腫瘍穿刺は全例で容易に成功した.穿刺,PMCTに伴う合併症は認めなかった.術後の造影CTでは治療部は無血流野で被われ,腫瘍壊死が確認された.その後の同所性再発は認めず,3例生存中だが,1例は肝再発で死亡した.超音波で描出出来ない小肝細胞癌に対するCTガイド下PMCTは有用である.
索引用語
microwave coagulation therapy, hepatocellular carcinoma, computed tomography
日消外会誌 34: 1367-1370, 2001
別刷請求先
山本 祐司 〒791-0295 温泉郡重信町志津川 愛媛大学医学部第2外科
受理年月日
2001年4月25日
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