症例報告
腹腔鏡下胆嚢摘出術後の肺塞栓症に対し簡易型経皮式心肺補助装置を用い救命しえた1例
中村 浩志, 寺本 研一, 高松 督, 馬場 裕之, 佐伯 伊知郎, 五関 謹秀, 岩井 武尚
東京医科歯科大学第1外科
腹腔鏡下胆嚢摘出術後の重篤な合併症に肺塞栓症がある.今回,簡易型経皮式心肺補助装置を用いることにより救命しえた肺塞栓症の1例を経験したので報告する.症例は69歳の女性で,気腹法による腹腔鏡下胆のう摘出術後第1日目に肺塞栓症を発症しショックとなった.抗凝固療法,血栓溶解療法を開始したが,ショックから離脱できなかったため簡易型経皮式心肺補助装置を用いた.その後は各種治療が奏功し,第50病日軽快退院となった.肺塞栓症の治療法は抗凝固療法,血栓溶解療法であるが急性期の循環動態維持のためには簡易型経皮式心肺補助装置が有用であると考えられた.
索引用語
pulmonary thromboembolism, laparoscopic cholesystectomy, percutaneous cardiopulmonary support system
日消外会誌 34: 1747-1750, 2001
別刷請求先
中村 浩志 〒130-8575 東京都墨田区江東橋4-23-15 東京都立墨東病院外科
受理年月日
2001年9月19日
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