症例報告
大量下血をきたした回腸Dieulafoy様潰瘍の1手術例
中島 信久, 中山 雅人, 高木 知敬, 長渕 英介
市立稚内病院外科
回腸に発症したまれなDieulafoy様潰瘍の1手術例を経験したので報告する.症例は87歳の男性で,下血を主訴として当院に入院した.出血シンチグラム(99mTc-RBC)で右下腹部に集積を認め,小腸出血の診断にて緊急手術を行った.術中内視鏡にて回腸に出血源を同定し,同部の紡錘状切除という侵襲の少ない術式を行い,治癒せしめた.切除標本の粘膜面に小さな露出血管と粘膜の欠損を認め,病理組織学的には粘膜下に中等大の動脈があり,この血管の破綻による出血と判断し,回腸Dieulafoy様潰瘍の診断を得た.
索引用語
Dieulafoy-erosion ulcer, small intestinel bleeding, intraoperative endoscopy
日消外会誌 34: 1770-1774, 2001
別刷請求先
中島 信久 〒004-8618 札幌市厚別区厚別中央2条6丁目 札幌社会保険総合病院外科
受理年月日
2001年9月19日
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