症例報告
膵管癒合不全に伴う背側膵炎に対して副膵管空腸側々吻合術が奏功した1例
林部 章, 坂本 一喜, 新保 雅也, 牧本 伸一郎, 仲本 剛, 岩田 恵典*, 土細工 利夫*, 廣岡 大司*
岸和田徳洲会病院外科, 同 消化器内科*
症例は60歳の男性で,上腹部痛を主訴に平成13年6月3日当院に緊急入院した.CT・US・MRI(MRCP)・ERPなどにより膵管癒合不全に伴う背側膵炎と診断した.長期にわたる保存的加療にても寛解せず,外科的治療が必要と判断された.術式は,ERPで副乳頭部副膵管に狭窄を認めず,病態が背側膵炎と良性疾患であることなどから副膵管空腸側々吻合術を選択した.同年8月30日手術を施行し,術後4週間で軽快退院した.膵管癒合不全に伴う背側膵炎に対して,副膵管空腸側々吻合術は有用な術式であると考えられた.
索引用語
pancreas divisum, dorsal pancreatitis, side-to-side pancreaticojejunostomy
日消外会誌 35: 1615-1619, 2002
別刷請求先
林部 章 〒596-0001 岸和田市磯上町4-22-38 岸和田徳洲会病院外科
受理年月日
2002年6月25日
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