症例報告
早期胃癌,大腸癌同時性重複癌を合併した皮膚筋炎の1例
濱田 円, 市川 純一, 伊藤 充矢, 石井 龍宏, 石川 忠則, 渋谷 祐一, 志摩 泰生, 西岡 豊, 岡林 孝弘, 堀見 忠司
高知県立中央病院外科
早期胃癌,大腸癌同時性重複癌を合併した皮膚筋炎と診断された興味ある1例を経験した.症例は72歳の男性.平成11年6月頃より顔面~頸胸部を中心とする落屑を伴う紅斑が出現した.同年9月検診目的の胃内視鏡検査にて胃体上部に1型胃癌を指摘された.CPK 394 IU/L,LDH 686 IU/Lであったが,術前皮膚生検では皮膚筋炎の確診は得られなかった.同年10月8日開腹術施行し,術中腹腔内検索にて発見された横行結腸癌とともに切除した.術後3日目には上半身の紅斑,掻痒感ともに消失したが,術後約1か月目より自力歩行困難となるほどの筋力低下を来した.ミオグロビン‐S 454 ng/mlであり,筋生検,筋電図,臨床経過から皮膚筋炎と診断した.12月25日よりプレドニン50 mg/dayで内服を開始したところ,内服後3日目より自力歩行も容易となり筋力は著しく改善した.
索引用語
dermatomyositis, colonic cancer, gastric cancer
日消外会誌 36: 1178-1182, 2003
別刷請求先
濱田 円 〒780-0821 高知市桜井町2-7-33 高知県立中央病院外科
受理年月日
2003年2月26日
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