原著
99mTc-GSAシンチグラフィを用いた肝障害度別換算ICGR15による肝予備能の評価
川村 秀樹, 神山 俊哉, 倉内 宣明, 中川 隆公, 蒲池 浩文, 横山 良司, 工藤 岳秋, 下國 達志, 松下 通明, 藤堂 省
北海道大学消化器外科・一般外科学分野
目的:99mTc-GSAシンチグラフィから肝切除術式を選択するためのパラメータを得る簡便な方法の1つはICGR15値に換算することである.LHL15値,HH15値の特性を考慮した換算式をもとめた.対象と方法:対象は1995年6月から2002年9月までに99mTc-GSAシンチグラフィとICG負荷試験を施行後,肝切除を行った144例.LHL15値,HH15値とICGR15値との1次回帰式から換算式をもとめた.結果:LHL15値,HH15値とICGR15値にはそれぞれ有意な相関を認めたが(r=0.585 p<0.0001, r=0.477 p<0.0001),それほど強い相関ではなかった.99mTc-GSAシンチグラフィでは肝障害度が軽度の場合はHH15値の,高度の場合はLHL15値の分散が大きくなる特性を認めたことから,高い相関を得るために肝障害度別に分けた回帰式をもとめた.liver damage AではICGR15=114-108×LHL15,BではICGR15=-41+103×HH15の変換式が得られ,肝障害度別に分けない場合に比べてICGR15値との相関が高かった(r=0.68 p<0.0001).考察:LHL15値,HH15値からICGR15値へ換算するための換算式をもとめる場合,肝障害度別に分けた換算式を用いた方がよい.
索引用語
hepatic functional reserve, hepatic resection, GSA scintigraphy
別刷請求先
川村 秀樹 〒060-8638 札幌市北区北15条西7丁目 北海道大学消化器外科・一般外科学分野
受理年月日
2003年7月23日
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