症例報告
子宮頸癌術後に孤立性脾転移をきたした1例
小松 大介, 小池 祥一郎, 小林 宣隆, 塩澤 秀樹, 中村 俊幸, 岩浅 武彦, 中澤 功*
国立松本病院外科, 同 研究検査科*
転移性脾腫瘍は悪性腫瘍剖検例の4~7%にみられたと報告されているが,孤立性脾転移は極めてまれである.症例は52歳の女性で,1987年6月に左乳癌で定型的乳房切除術,2001年1月に子宮頸癌にて広範子宮全摘術の既往があった.2002年3月の腹部CT検査で,脾臓に3 cm大の境界不明瞭な低吸収域を認め,脾臓転移を疑い2002年4月に脾摘術を施行した.病理組織学的に子宮頸癌と同様の扁平上皮癌を認め,他に転移・再発がみられないことより孤立性脾転移と診断した.現在,術後1年で再発徴候なく外来通院中である.子宮癌の孤立性脾転移に関する報告例は自験例を含め12例で,そのうち4例が子宮頸癌であった.長期生存例も認められることから,積極的に外科的治療が選択されるべきと考えられた.
索引用語
splenic metastasis, uterine cancer
別刷請求先
小松 大介 〒399-8701 松本市芳川村井町1209 国立松本病院外科
受理年月日
2003年9月24日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|