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第39巻 第10号 2006年10月 [目次] [全文 ( PDF 695KB)]
症例報告

くり返す肝切除,マイクロ波凝固療法とラジオ波焼灼術により10年以上の長期生存が得られたgastrointestinal stromal tumor肝転移例

中島 真也, 千々岩 一男, 近藤 千博, 前原 直樹, 高屋 剛, 盛口 清香, 浅田 祐士郎

宮崎大学医学部第1外科, 同 第1病理

 症例は69歳の男性で,1990年検診の胃透視で異常を指摘され,平滑筋肉腫の診断で胃全摘術,膵体尾部脾合併切除術を施行した.原発巣の大きさは7 cm,核分裂像数は,強拡大で5/50未満であった.その後,肝転移に対し,1995年,1997年,2001年に肝部分切除術とマイクロ波凝固療法(MCT)を行った.2003年,肝S8に再発を認め,ラジオ波焼灼術(RFA)を施行した.2004年,肝S8のRFA焼灼瘢痕部から1 cm離れた部分に再発を認め再びRFAを行った.2005年4月,肝S2,S4に再発を認め,肝部分切除術とRFA焼灼瘢痕部の切除を行った.切除した肝S8のRFA焼灼瘢痕部位にも組織学的に転移再発を認めた.当初原発巣は平滑筋肉腫と診断されたが,2001年,免疫染色でKIT,CD34が陽性でgastrointestinal stromal tumor(以下,GIST)の肝転移と診断した.4回の肝切除により10年以上生存中のGIST肝転移例を報告した.肝切除可能なGIST肝転移症例では積極的な外科切除の有用性が示唆された.

索引用語
gastrointestinal stromal tumor, liver metastasis, long term survival

日消外会誌 39: 1592-1597, 2006

別刷請求先
千々岩一男 〒889-1692 宮崎郡清武町大字木原5200 宮崎大学医学部第1外科

受理年月日
2006年2月22日

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