ネフローゼ症候群を合併した消化器悪性腫瘍に対して外科的治療を施行した5例の検討

矢野　孝明, 若林　久男, 赤本　伸太郎, 谷内田　真一, 岡野　圭一, 臼杵　尚志, 前田　肇

香川大学医学部附属病院第1外科

　ネフローゼ症候群を合併した消化器悪性腫瘍は比較的まれである．外科的治療によりネフローゼ症候群が治療前後でどのように推移するかを検討した．当院で過去6年間に経験した5症例を対象とした（大腸癌4例，胃小腸悪性リンパ腫1例）．術前に腎生検が4例に施行され，すべて膜性腎症であった．術前，術後（1M，6M，1Y）における1日尿中蛋白排泄量，血清albumin値，血清creatinine値について検討した．1日尿中蛋白排泄量は術前と比較して術後1Yでは減少し，血清Alb値は術前に比べて上昇した．血清Cr値は手術の前後でほとんど変化はなかった．今回，文献的考察を加えて報告する．

索引用語
nephrotic syndrome, malignant tumor, surgery

別刷請求先
矢野　孝明　〒761-0793　木田郡三木町大字池戸1750-1　香川大学医学部付属病院第1外科

受理年月日
2006年3月22日

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