症例報告
難治性吻合部膿瘍に対し回腸肛門再吻合を行った潰瘍性大腸炎の1手術例
舟山 裕士, 長尾 宗紀, 福島 浩平, 柴田 近, 溝井 賢幸, 高橋 賢一, 三浦 康, 小川 仁, 小山 淳, 佐々木 巖
東北大学大学院生体調節外科
回腸肛門吻合術後に難治性吻合部膿瘍を合併したため,回腸J嚢を再造設し,回腸肛門再吻合を行った重症潰瘍性大腸炎の1例を経験し,良好な結果を得たので報告する.症例は32歳の男性で,重症潰瘍性大腸炎に対し分割的回腸肛門吻合術を施行したが,ストーマ閉鎖前の回腸嚢造影にて吻合部周囲に筋筒内膿瘍(cuff abscess)形成が認められた.難治性のため吻合部の掻爬,膿瘍ドレナージ,筋筒部分切除,再吻合を3度にわたり行ったが,改善が見られないため,吻合部を含む回腸J嚢切除と新J嚢回腸肛門再吻合を行った.術後経過は良好で回腸ストーマ閉鎖後は,夜間のsoilingはあるもののほぼ満足すべき排便機能を保っている.
索引用語
ileal pouch-anal anastomosis, pouch-related complication, salvage operation
別刷請求先
舟山 裕士 〒980-8574 仙台市青葉区星陵町1-1 東北大学大学院生体調節外科
受理年月日
2006年11月22日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|