症例報告
脂肪腫を伴った内翻Meckel憩室による成人腸重積症の1例
北濵 誠一, 三毛 牧夫, 遠藤 悟史, 松田 諭, 上藤 聖子, 深澤 基児, 山田 成寿, 渡井 有, 草薙 洋, 加納 宣康
亀田総合病院外科
我々は内翻Meckel憩室による小腸型腸重積と特発性・小腸型腸重積が併存する成人腸重積症を経験したので報告する.症例は34歳の男性で,主訴は間欠的腹痛.腹部造影CTで3層構造を認め,典型的な腸重積症と診断し,緊急手術を施行した.腹腔鏡下に2か所の腸重積が離れて存在していることを確認し,最小・最適な位置に5 cmの補助切開を置き,特発性・小腸型腸重積症は用手整復を行った.また,腫瘍様部分はできるだけ整復した後に腸管切除を施行した.病理組織学的検査では,脂肪腫を伴う内翻Meckel憩室と診断された.本症のように,同時に2か所の腸重積を発症することは極めてまれであると考えられた.
索引用語
intussusception, inverted Meckel's diverticulum, lipoma
別刷請求先
北濵 誠一 〒296-8602 鴨川市東町929 亀田総合病院外科
受理年月日
2008年1月30日
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