症例報告
急性膵炎を伴った膵動静脈奇形の1例
吉田 雅, 高橋 昌宏, 中野 詩朗, 赤羽 弘充, 柳田 尚之, 正村 裕紀, 今井 浩二, 萩原 正弘, 丸谷 巖*, 小橋 重親*
JA北海道厚生連旭川厚生病院外科, 丸谷病院*
症例は37歳の男性で,左側腹部痛と背部痛を主訴に当科入院となった.精査の結果,膵体尾部動静脈奇形に伴う急性膵炎と診断した.保存的加療を開始したが制御困難な腹痛が持続したため,外科的切除を施行した.膵体尾部の炎症に伴い,周囲臓器との癒着や新生血管の増生が高度であり,膵体尾部切除・脾臓摘出・胃部分切除・横行結腸部分切除を必要とした.術後,膵液漏に伴う腹腔内膿瘍を発症し,第17・37病日にCTガイド下ドレナージを施行した.現在,術後2年を経過したが,症状は完全に消失している.膵動静脈奇形に伴う急性膵炎は非常にまれな疾患であり,文献的考察を加え報告する.
索引用語
pancreas, arteriovenous malformation
別刷請求先
吉田 雅 〒060-8638 札幌市北区北15条西7丁目 北海道大学第1外科
受理年月日
2008年7月23日
 |
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|