症例報告
小腸原発悪性ラブドイド腫瘍の1例
太田 竜, 小根山 正貴, 高橋 保正, 河原 祐一, 北村 雅也, 後藤 学, 関川 浩司, 桶田 理喜*, 竹之下 誠一**
川崎幸病院消化器病センター外科, 同 病理部*, 福島県立医科大学外科学第2講座**
小腸原発悪性ラブドイド腫瘍の1例を経験したので報告する.症例は74歳の男性で,腸閉塞の診断にて入院となった.腹部CT,MRI,超音波検査では小腸に6 cm大の腫瘤が存在した.小腸造影検査では空腸に不整な隆起病変があり高度の狭窄を伴っていた.原発性小腸腫瘍と判断し腹腔鏡下切除術を予定し手術に臨んだ.腫瘍の後腹膜との癒着が高度であり浸潤も疑われたため,小開腹を併施し小腸部分切除術を行った.病理組織学的診断では,偏在した大型の核を持つ異型細胞が増殖し,核小体明瞭で細胞質には好酸性で小球体を有するrhabdoidな細胞が存在した.免疫染色検査では,vimentin,cytokeratinおよびEMAが陽性であり,desmin,chromograninおよびSMAは陰性だった.小腸原発悪性ラブドイド腫瘍は極めてまれであり,若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語
malignant rhabdoid tumor, primary small intestinal tumor, laparoscopic surgery
別刷請求先
太田 竜 〒212-0021 川崎市幸区都町39-1 川崎幸病院消化器病センター外科
受理年月日
2008年9月24日
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