症例報告
先天性胆道拡張症術後の左肝管空腸吻合部狭窄に対し肝左葉切除を行った1例
木戸川 秀生, 伊藤 重彦, 山吉 隆友, 山口 広之*
北九州市立八幡病院外科, 健康保険諌早総合病院外科*
先天性胆道拡張症術後5年目に左肝管空腸吻合部の狭窄を来し肝左葉切除を行った症例を経験したので報告する.症例は16歳の女性で,11歳時に先天性胆道拡張症にて総胆管嚢腫切除術が行われた.その際,左肝管が拡張した嚢腫と交通していたため左右肝管空腸吻合術となった.術後4年頃より吻合部狭窄による化膿性胆管炎を繰り返すようになり今回手術となった.術前画像検査では左肝内胆管の拡張を認めるものの肝内結石は認めなかった.手術所見では左肝管はほぼ完全閉塞していた.組織学的には肝門部胆管は不規則に拡張・狭窄し,壁は強い線維化を伴って肥厚していた.術後の経過は良好で胆管炎の再発など認められない.
索引用語
congenital bile duct dilatation, hepaticojejunostomy, hepatectomy
日消外会誌 42: 1402-1406, 2009
別刷請求先
木戸川秀生 〒805-0061 北九州市八幡東区西本町4-18-1 北九州市立八幡病院外科
受理年月日
2009年1月28日
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