Colonoscopy cholecystitisと考えられる気腫性胆嚢炎の1例

井上　賢之, 小泉　大, 佐久間　康成, 佐田　尚宏, 安田　是和

自治医科大学消化器一般外科

　症例は67歳の男性で，便秘精査のため前医で下部消化管内視鏡検査を施行後，翌日より腹痛，腹部膨満を認めたため前医入院となった．入院経過中，右胸水貯留を認め，膿胸が疑われ，精査加療目的に当院転院となった．右上腹部に軽度圧痛を認め，肝外側および胆嚢周囲の異常ガス像から気腫性胆嚢炎による腹膜炎と診断，緊急手術を施行した．開腹すると右横隔膜下，肝外側，モリソン窩，肝左葉下面に大量の膿瘍が貯留していた．結腸を検索したが，明らかな穿孔部位は認めず，胆嚢壁の広範な壊死が認められ，これが腹腔内膿瘍の原因と診断した．気腫性胆嚢炎の形態をとるcolonoscopy cholecystitisの1例と考えられた．

索引用語
acute cholecystitis, emphysematous cholecystitis, colonoscopy

別刷請求先
井上　賢之　〒329-0498　下野市薬師寺3311-1　自治医科大学消化器一般外科

受理年月日
2009年1月28日

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