症例報告
胃癌に合併し肝内胆管癌との鑑別が困難であった胆管内発育を伴う異時性大腸癌肝転移の1例
杉本 博行, 山田 豪, 粕谷 英樹, 金住 直人, 野本 周嗣, 竹田 伸, 中尾 昭公
名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学
症例は65歳の男性で,糖尿病にて通院中,血液検査異常あり,CTを施行し肝内胆管拡張および肝腫瘍を指摘された.結腸癌の既往があり,転移性肝癌も疑われ内視鏡検査が施行され胃癌を指摘された.胃癌合併の肝内胆管癌を疑い幽門側胃切除,肝右葉切除を施行した.切除標本では大腸癌の肝転移の所見であった.本症例は胆管内腫瘍栓を伴う大腸癌肝転移の特徴を有した貴重な症例であり,原発巣切除から肝再発の診断まで最長期間例であった.
索引用語
colon cancer, biliary tumor thrombus, liver metastasis
日消外会誌 42: 1539-1544, 2009
別刷請求先
杉本 博行 〒466-8550 名古屋市昭和区鶴舞町65 名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学
受理年月日
2009年1月28日
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